こだわりが大きすぎると自分を苦しめることに

並列寸法を記入する際に、寸法線同士の間隔を揃えるかどうか。

2.5mmの文字高さならば、4mm~5mm程度の離れで揃えておくと、図面がキッチリ納まってくる。

これはちょっと細かすぎる話ではありますけど、揃えておく高価は確かにあると私は思っています。

離れの雰囲気はこんな感じです。

 

寸法線の間隔比較

 

この拘りを通す為に、どの程度の手間がプラスされるのか、というのは作図する人のスキル次第。

私の場合は、ほんの少しだけ手間が増える程度に感じるので、ほぼ全ての図面で間隔を揃えています。

まあこの数値にこだわりすぎて作図に時間が掛かってしまう、という状況は全然ダメですけど……

私も昔そういう状態になったことがあるので、今回はそのあたりについて書いてみたいと思います。


■解決策はただひとつ

寸法線の間隔を揃えることは、受け取る人によってその評価が全然変わってくる事だと思います。

良い受け止め方をすれば「丁寧に作図しているね」ということになって、綺麗なデータを有り難いと言われます。

ただしその一方で、悪く言えば「誰も分からないような部分で無駄に頑張っている」と言われることもあります。

これは人によって結構評価が違うので、どちらが正解なのかは正直言って良く分かりません。

個人的には「どっちが良いんですか」と言いたい状況ですけど、まあどちらも正解なので何とも言えません。

私が知っている一番の解決方法は、余計な時間を掛けないで寸法線の間隔を揃えるようにすること。

作図の速度が速ければ、誰もそこまで気を使って作図しているとは思わないですから、波風も立ちません。

理想的な話をすれば、ですけど。

私はそういう仕事のやり方を心がけているので、寸法の間隔なんて揃えなくても良いからもう少し早くしてくれ、とは言われません。

まあ「綺麗な図面ですね」とも言われませんが、それで全然OKじゃないかと個人的には思っています。

私は図面を描くプロですから、そんな当たり前のことで褒められてもリアクションに困っちゃいます。

 

■こだわりが大きすぎると

ただ、何事もそうなんですけど、物事には限度というモノがあって、こうしたこだわりを持ちすぎるのも問題です。

私も以前そんな状況になったことがあります。

その時期は「寸法の間隔を揃えないと気になって仕方がない」というレベルになっていて、仕事が非常に遅かった。

仕事の遅さの原因は、どう考えても図面の見映えに対するこだわりが大きすぎたところにありました。

図面をキッチリと綺麗に描くことは悪いことではないですけど、その為に時間を掛けすぎるのは……

色々な考え方がありますけど、それは少なくとも正解とは言えないんじゃないかと、今ではそう思っています。

もちろん自分が最初から作図する図面であれば、CADのスピードである程度はごまかす事が出来る範囲なんです。

だけど、CADで作図した図面データというのは、自分が最初から最後まで編集するとは限りません。

自分が作図した図面データを誰かに渡すこともあるし、人が描いた図面を途中から引き継ぐこともある。

そうした時に、人が作図した図面の状態を「この作図方法は許せない」と感じてしまうことが多くなる。

これは良くないことですよね。

そして結局、どうしても気に入らなくて寸法を入れ直すとか、そういう見た目の調整をひたすら繰り返すようになる。

こうなってしまうと実務に支障が出るレベルなので、出来れば避けた方が良い状態だと思います。