見やすい図面の感覚は人により違う

正確な図面を描くためにはチェックが重要だけど、それでミスを完全に無くすことは非常に難しいことです。

人間の集中力には限界があって、時間も無限にある訳ではないので、どうしても間違いが発生することは避けられません。

そうした様々な制約の中で作図をしているから、多少の間違いも仕方がないと思われる場合も多いです。

もちろんそこに甘える訳にはいきませんけど……

100%間違いがない図面ではなく、95%の図面でもまあ許されるというのが現実ではあると思います。

ただしそれは100%を目指して図面をチェックした結果、最終的には95%の図面になった場合の話です。

最初から95%で良いと思って仕事をすると、結局は90%とか85%の図面になってしまうことになります。

結局のところ、図面を描く側としては、間違いのない完全な図面を目指す必要がある、という話ですね。

正確な図面を描くことについて色々と書いてきましたが、結局作図する側が出来ることはそれ程多くない訳です。

そして、その数少ない出来ることをきちんとやっていれば、間違いでそれ程大きな問題にはならない、ということです。

結論は結局非常にシンプルなんですよね。

と、そうした「そもそも図面が合っているのか」という大前提をクリアした後で、次のステップが出てくる訳です。

今回はそのあたりの話です。


■正確な図面の描き方

正確な図面を描くという前提をクリアすることが出来れば、その後に出てくる要望は「できるだけ見やすい図面を」です。

これこそが当サイトのメインテーマな訳で、これまでに色々なことを書いてきて、それをここでまとめる訳ですが……

見やすい図面を描く為にどうすれば良いのか、というのは、これが意外になかなか難しいことなんです。

正確な図面を描くことは、まあ当たり前ですけど「記載に間違いがない図面を作図する」ということ。

言うだけなら簡単で、実際にやるのは大変という部分は確かにありますけど、話としては非常にシンプルなんです。

シンプルだからこそ、その為に出来ることは限られていて、それをやっていれば正確な図面が完成することになる訳です。

■見やすい図面は個人で違う

正確な図面を描くことは、実現の難しさは別にして、話としては非常にシンプルなものです。

その一方で、見やすい図面はどうなのかを考えてみると……

見やすい図面というのは「記載されている情報が見る側に分かりやすい状態にする」ということです。

これはそう書くだけなら簡単なんですけど、実際には見る人によって少しずつ感覚が違う部分でもあります。

ここが「正確な図面」と「見やすい図面」の大きな違いです。

同じ図面を見た場合であっても、それを見やすいと思う人もいれば、そうは思わない人もいるということ。

そうした個人の感覚が入ってくる分だけ、見やすい図面を描くことはシンプルとは言えないんです。

だから「こうすれば見やすい図面になる」というような、分かりやすい正解というのが提示しにくい。

見やすい図面を描くというのは、そう言う意味ではあまり正解を書きにくいテーマではないかと思います。