A3に縮小した場合の設定
A1サイズの図面をA3サイズに縮小した場合、例えば壁であれば、壁の巾は半分になります。
壁厚150mmの壁であれば……
A1で縮尺1/50の場合:150/50=3mm巾の壁。
A3に縮小して1/100とした場合:150/100=1.5mmの壁。
という事になります。
A3サイズに図面を縮小すると、これはまあ当然のことですが壁の巾が半分になってしまう訳です。
それなのに、A1サイズの図面を印刷する時と同じ設定で印刷をしても大丈夫なのか。
というのが前回までの話でした。
今回はその続きで、A3サイズに縮小した場合の具体的な線の太さについて考えてみたいと思います。
A3に縮小した場合も考える
見やすい図面を作図する為に線の太さを区分すること、そして具体的にはどの程度の太さで印刷をすれば良いのか。
前回はそんな話を取り上げて、線の太さを調整した図面と、全部同じ太さで印刷した図面を作ってみました。
違う設定で印刷するのは簡単なんですけど、サンプルの図面を用意するのは結構大変でした。
適当な平面図を描くと言っても、ある程度の密度がないと違いが分からないから、あまりにも適当では困る。
だけどすぐに作りたい平面図なので、時間をかける訳にはいかない、という葛藤が少しだけありました。
ちなみに、PDFと画像を作成した後で、変な位置に通り芯が記入されている事が判明しました。
ちょっと気になる状態なんですけど、……まあいいか、という感じでそのままになっています。
もの凄くヒマになったら差し替えますけど、多分そのままになるんじゃないかと思います。
印刷した図面のサンプル
見やすい図面の条件のひとつ、メリハリの効いた図面にする為にはどうすれば良いのか。
前回はそんなテーマで色々と書いてみました。
印刷する際に線の太さを使い分けることで、目立たせたい線と目立たせたくない線を区別していく。
そうすることによって、図面を見る側が「この線は何を表しているのか」をすぐに判断することが出来ます。
逆に、すべての線が同じような見え方になっていると、壁なのか寸法なのかが非常に分かりにくいです。
もちろん線の太さが原因で、全く判別が出来ない図面になってしまう訳ではありませんが……
少なくとも、その線が何かを判別をする際に、毎回少しだけ手間がかかることになるんじゃないかと思います。
見やすい図面というのは、見る側に間違えた認識を与えない図面という表現も出来るはずです。
そういう面から考えれば、線の太さを調整して見やすい図面を描くことは、作図する側の重要な役割だと言えるでしょう。
と、こうして何回も言葉で書いてもこれ以上は伝わらないですから、今回は少し具体的な図面を例に出してみたいと思います。
具体的な線の太さはどの程度か
見やすい図面を描く為には、図面を見る相手のことを考えて色々と気を遣う必要があります。
図面を見る相手がどんなことを望むのか、どんな情報が必要なのか、どんな表現だと困るのか。
そのあたりを考えて、出来るだけ相手が喜ぶような図面を作図する、という気持ちが大事になってきます。
「気持ち」とか書いてますけど、別に変な精神論でも何でもなくて、相手が望むモノを作るのはプロとして当然のこと。
図面を描くというのは個人的な作業になることが多いので、相手のことを考えない図面になりがちなんです。
でもそれではせっかく手間をかけて作図した図面が勿体ないので、最大限に喜ばれる図面にした方が得。
少なくとも私はそう考えています。
今回は、もう少し具体的な線の太さを紹介しますが、その前にもう少しだけ線の太さについて書いてみます。
線の区分はどうすれば良いか
前回はCADで線の太さを区分する手段として、色を分けておくという考え方を紹介しました。
というか、話が全然違う方向に進んでしまったので、そこで話が終わってしまったということですけど。
まあとにかく……
CADで作図をする場合には、線の種類によってレイヤーと色を分けておくのが基本になります。
操作自体は非常に簡単だし、一度色を分けておきさえすれば、後はもう特に何も考えないで線を引くだけ。
非常に簡単で良いです。
ただし、そうしたCADのメリットを生かす為には、作図する側が作図の基本ルールを分かっている必要があります。
基本ルールというだけあって簡単なので、ここでサラッと覚えてしまうことをお勧めします。
ということで、今回こそ……図面内に表現する線の太さを、どのような考え方で分けていくかを考えてみます。