前回はCADで線の太さを区分する手段として、色を分けておくという考え方を紹介しました。
というか、話が全然違う方向に進んでしまったので、そこで話が終わってしまったということですけど。
まあとにかく……
CADで作図をする場合には、線の種類によってレイヤーと色を分けておくのが基本になります。
操作自体は非常に簡単だし、一度色を分けておきさえすれば、後はもう特に何も考えないで線を引くだけ。
非常に簡単で良いです。
ただし、そうしたCADのメリットを生かす為には、作図する側が作図の基本ルールを分かっている必要があります。
基本ルールというだけあって簡単なので、ここでサラッと覚えてしまうことをお勧めします。
ということで、今回こそ……図面内に表現する線の太さを、どのような考え方で分けていくかを考えてみます。
■線の太さ区分は
線の太さを3段階にして、太線・中線・細線と考えた場合、図面の表現は以下のような区分になります。
●太線
切断線・図面枠
●中線
見え掛かり線・文字
●細線
芯・引き出し線・寸法線・説明用のハッチングなど
大体こんな感じになるんじゃないかと思いますが、これはあくまでも私の個人的な意見も入っています。
寸法線を細線にするかどうか、文字をどうするかなど、作図する人の好みによる部分もあります。
でも、切断線を太い線で表現して、見え掛かりをそれよりも細い線で表現する、という基本ルールは変わりません。
■見え掛かりとは何か
先ほども出てきた「断面線」と「見え掛かり線」というのは、図面を作図する際には必ず意識するものです。
と言っても、私は全ての分野の図面を描いたことがある訳ではなく、建築関連の図面しか経験がありません。
少なくとも建築関連では断面線や見え掛かりは意識しますが、これは実際にどんな概念なのでしょうか。
例えば建物の平面図というのは、地上1m付近で建物をすぱっと切断した状態を表現します。
厳密に考えすぎるとおかしな図面になってしまいますから、そこはある程度アバウトで良いんですけど……
少なくとも人の腰付近で建物を切って、断面形状を含めて見下ろしている図面が平面図になります。
建物で言えば壁とか柱などが切断されて見えてくる事になり、その切断されて見えてくる線を「断面線」と呼びます。
一方で、例えば床などに配置されたものや、棚などの家具関連は、切断されることなく見えてくる状態になります。
切断する高さ設定によっては、中途半端に切断された状態が正解と考えられる場合もあります。
しかし図面で優先するのはそうした正しさではなく、この図面ではどんな見せ方をしたいのか、という部分。
なので、足元から上まで伸びていない物体、例えば棚などは、切断されることなく見えてくることになります。
これが「見え掛かり線」と呼ばれ、断面線よりも少し細い「中線」で表現をする事になります。
簡単な絵で説明すると、こんな感じですね。
ちょっと綺麗な色とは言い難い感じですけど、緑色が柱とか壁を意味していて、水色が机などを表現しています。
断面図と見え掛かりの違いは何となく掴めたでしょうか。