壁の見え方の違い

A1サイズの図面をA3サイズに縮小した場合、例えば壁であれば、壁の巾は半分になります。

壁厚150mmの壁であれば……

A1で縮尺1/50の場合:150/50=3mm巾の壁。

A3に縮小して1/100とした場合:150/100=1.5mmの壁。

という事になります。

A3サイズに図面を縮小すると、これはまあ当然のことですが壁の巾が半分になってしまう訳です。

それなのに、A1サイズの図面を印刷する時と同じ設定で印刷をしても大丈夫なのか。

というのが前回までの話でした。

今回はその続きで、A3サイズに縮小した場合の具体的な線の太さについて考えてみたいと思います。


■具体的な例はどうなるか

先ほど厚さ150mmの壁が実際どの程度のスケールで印刷されるか、という話をしました。

3mm巾と1.5mm巾の線を同じ太さで印刷すると、以下のような感じの雰囲気になります。

 

壁の見え方の違い

 

うーん……画像ではなかなか表現が難しいですね。

画面に貼り付ける為に画像データ化すると、なかなか思ったような感じにならない気がします。

ただ、同じ線の太さで印刷をした場合には、縮小した図面の方がより密集して見える、ということは分かると思います。

特に壁の右側、20mmという寸法が入った線は、縮小して印刷をした段階で1本の線みたいになっています。

ちょっと長い説明になってしまいましたが……

A1サイズに印刷をする太さ設定そのままでは、A3サイズに縮小した際に太すぎる場合がある。

今回はこれを言いたかったんです。

 

■A3にした場合の線の太さ

CADの機能を使って、A1サイズの図面をA3サイズに縮小して印刷をしたとしても、線の太さ設定まで縮小される訳ではありません。

そうした自動的な設定機能がCAD側にあれば良いんですけど、少なくとも私が知っているCADにはそうした機能がありません。

なので、そのあたりの微調整というのは、やはり人が細かくやっていくしかないんですよね。

具体的な話としては……

A1サイズの図面をA3サイズに縮小して印刷をする場合、A1の設定よりも1段階ずつ細くなるような設定が必要になります。

3段階の太さ設定をしている場合はこんな感じ。

・太線:0.25mm

・中線:0.15mm

・細線:0.05mm

4段階の設定ではこんな感じ。

・極太線:0.25mm

・太線:0.18mm

・中線:0.10mm

・細線:0.05mm

細かい数値は好みとプリンターの設定によって色々ですが、まあ大体こんな太さという感じで問題ありません。

こうした設定を用意しておくことによって、よく使われるA3縮小版でも、見やすい綺麗な図面が印刷出来ます。

ただし、最後にひとつだけ。

私の好みが細すぎる可能性もありますし、以前も書いたように、図面の密度によってもかなり雰囲気は変わります。

そのあたりはやはり作図者が意識しないといけないと思います。