見やすい図面を作図する為に線の太さを区分すること、そして具体的にはどの程度の太さで印刷をすれば良いのか。
前回はそんな話を取り上げて、線の太さを調整した図面と、全部同じ太さで印刷した図面を作ってみました。
違う設定で印刷するのは簡単なんですけど、サンプルの図面を用意するのは結構大変でした。
適当な平面図を描くと言っても、ある程度の密度がないと違いが分からないから、あまりにも適当では困る。
だけどすぐに作りたい平面図なので、時間をかける訳にはいかない、という葛藤が少しだけありました。
ちなみに、PDFと画像を作成した後で、変な位置に通り芯が記入されている事が判明しました。
ちょっと気になる状態なんですけど、……まあいいか、という感じでそのままになっています。
もの凄くヒマになったら差し替えますけど、多分そのままになるんじゃないかと思います。
■基本はA1だけど
さて……
前回・前々回の話はあくまでも「A1サイズで印刷する際に、どの程度の太さに設定すれば良いのか」でした。
サンプル図はA4サイズをベースにしましたが、それは単純に一般家庭のプリンターを意識したから。
作図した際の縮尺を変えないという考えは、A1サイズで作図した時のことを考えての話です。
割と小さなA4サイズの用紙に、A1サイズに印刷した場合と同じ線の太さで印刷をしました。
だから、試しにA4で印刷をしてみたら、これはかなり線が太いな……と感じてしまいました。
これはA3縮小版の図面に慣れているせいかも知れません。
以前も書いたように、図面は基本的にA1サイズの用紙に印刷するのが標準になっています。
そう言う意味では、A1サイズに印刷した場合の太さをまず考えるのは、全然間違いではありません。
ですが、持ち運びのしやすさなどでA3サイズに縮小する場合も結構多いので、その場合についても考えておく必要があります。
そんな訳で、今回はA3サイズに図面を縮小した場合の、線の太さの調整について考えてみたいと思います。
■A3サイズに縮小した場合
A1サイズの図面をA3サイズに縮小する場合には、縮小率は50%ということになります。
面積は1/4になる訳ですけど、図面で大事なのは面積ではなく長さなので、面積はあまり気にしないことにして……
縮小率が50%になるので、例えば建物の壁を表現した場合には、壁の厚さが半分になってしまう訳です。
要するに「壁の厚さが半分になるのに、同じ太さの線で印刷をしても大丈夫なのか?」という話。
また建物の図面を例に出してすみませんが、厚さ150mmの壁を表現した場合をここでは考えてみます。
150mmの壁を縮尺1/50の図面で表現する場合、A1サイズの図面に印刷した場合にどうなるか。
計算はシンプルに 150/50=3 なので、A1サイズでは壁として3mm巾の2本線になります。
ちなみにこの150mmの壁というのは、前回サンプルで出した図面の中では、外壁にあたる部分で使っています。
こんな感じの場所です。
もちろん部屋内と外部側にもう1本線があるので、雰囲気としては3mmよりも大きく感じますが。
この壁厚150mmの図面をA3サイズに縮小すると、半分になる訳ですから当然1.5mm巾の2本線になります。
計算式も一応書くと、 150/100=1.5 です。
150mmの壁が1/100に縮小されて1.5mm巾で表現される、という感じですね。