A1プロッターの一例

図面は基本的にA1サイズ(841mm×594mm)の用紙に印刷される。

前回はそんな話と、具体的な用紙の規格とサイズの関係について、簡単に説明をしてみました。

図面をどの用紙サイズに印刷して使うのかは、図面を作図する側からすると結構大きなポイントになります。

最終的にはどんなサイズになるのかがイメージ出来ないと、気の利いた図面を描くことは出来ませんから。

ということで、まずはA1サイズに図面を印刷する、という話でしたが、ここで少し問題があります。

今回はその問題点について考えてみたいと思います。


■A3サイズでも良いか

図面は基本的にA1サイズで利用されることが多い、という話は前回書いた通りです。

ただ、このA1サイズは結構大きいんですよね。

新聞紙を目一杯拡げたサイズよりも少し小さい程度なので、見る為には結構スペースが必要なんです。

もちろん用紙サイズが大きい方が見やすいですし、見やすい方が間違いがないことに間違いはないですけど……

大きくて見やすいことだけが大事な訳ではなく、図面を使う側としては、もっと別の要素も重視しています。

・すぐに目的の図面を開くことが出来る手軽さ

・持ち運びが簡単に出来る重さ(紙は重いんです)

・カバンに簡単に入るサイズ

このように、大きさも確かに大事ですけど、図面の取り回しの良さもかなり重要な要素になるんです。

簡単に持ち歩いたり、すぐに開いたり出来るようにする為には、当然ですが図面のサイズを小さくする必要があります。

A1の図面サイズを小さくする場合には、どの用紙サイズに縮小すれば都合が良いか。

そして、どの程度のサイズなら扱いやすいか。

これらを考えた結果、A1サイズをA3サイズに縮小して使うことが一般的になっています。

これには「少なくとも私が知る限りは」というただし書きが付きますが、A3の図面はかなり一般的じゃないかと思います。

 

■A1プロッター

なぜA1サイズの図面をA3サイズに縮小するのが一般的なのかというと、都合の良い理由が幾つかあります。

・A3ならプリンターで印刷可能

・コピーも簡単に出来る

・縮尺が丁度半分になる

A1サイズの図面を印刷するには、プロッターと呼ばれる大判印刷用の機器が必要になります。

こんな感じのヤツが。

 

A1プロッターの一例

 

最近はかなり安くなったとは言え、A1の図面を印刷する為だけに、かなり高額な出費が必要なんです。

上記写真はcanonのimagePROGRAF iPF655という商品で、グレードとしては中間くらいのタイプかな。

これよりもう少し下のスタンダードタイプにiPF650という商品がありますが、それがこんな感じの価格になってます。

本体:268000円(税別)

専用スタンド(オプション):50000円(税別)

昔というかつい最近までは、普通に80万円とかしましたから、これでも安くなったんですよ。

A1サイズに印刷をする為には、こうした機械を導入して設置をする必要がある訳です。

もちろん仕事で使うのですから、高いから設置しないとか言う訳にはいかないんですけど、ハードルは少し高めですよね。

それならば、一般的な複合機で印刷出来る用紙サイズのA3でも良いんじゃないか、という意見が出てくる訳です。