評価される仕事をするために

図面を描くプロとして見られると、良い図面を描いてもなかなか直接褒められるようなことはありません。

プロだからお客さんの求めるレベルを満たすことは、ある程度当たり前のことだという認識がある訳です。

作図する側としても、お客さんの要望を満たすべく全力を尽くすのは当然、という思いがあることが基本です。

自分なりにこんなに頑張っているのに……

などと言いたくなる場合は結構ありますけど、やっぱりプロとしてそれはあまり言うべきではないんですよね。。

自分が自分を評価するというのは、まあ評価する側としては簡単で気楽なんですけど、そこには厳しさが入る余地がありません。

誰だって自分が可愛いですから、そこで自分を厳しく評価することは結構難しいことなんですよね。

そのあたりの話は、こうして「プロの仕事は……」みたいなことを書いている私も全く一緒です。

自分で自分の仕事にある程度満足したとしても、それがそのままお客さんの満足につながる訳じゃない。

この事実は私が今まで仕事をしてきた中で、イヤというほど経験してきたことなので、多分共通事項として言えることだと思います。


■褒められるより評価されるべき

良い図面を描いてもなかなか褒められない、という話を今までしてきていますが、だからそれが無駄だという訳ではありません。

図面を見る側も当然プロですから、見やすくて間違いのない正確な図面を描き続ければ、少なくとも評価はされるはずです。

この「評価」というのがかなり重要な要素。

褒められることは確かにありませんが、正面切って「この図面は良いですね」なんて言われても困りますよね。

図面を描くプロは報酬を貰ってその仕事をしていて、別に褒められる為にやっている訳じゃないですから。

「今月の給料は半分で良いですから、1分間僕のことを褒めてください」と言えば、きっと相手は褒めてくれるとは思いますけど……

そうした言葉にはあまり意味はないですよね。

言葉よりも大事なのがプロとしての評価ですから、その評価を確かなものにする為には、出来ることはひとつしかありません。

それが、地道に正確で見やすい図面を描いていくということ。

地道な仕事の積み重ねでしか信用を得る手段はないんですけど、逆にそれが出来ればプロとして一人前じゃないかな。

早く私もそのレベルに到達したいものです。

 

■評価される仕事の質

相手から良い評価を得るために仕事を頑張る、という表現だと何だかセコイ奴みたいなイメージになりますね。

時々ベタな漫画とかで出てくる、揉み手をしながら上司に取り入っているサラリーマンみたいなイメージが。

でもそれは表現だけの問題で、相手から良い評価を得る為にする仕事というのは、別に悪いものではありません。

相手から評価される為には、信頼される仕事をする必要があって、そういう仕事は相手のことを考えないと実現出来ないですから。

自分のことだけを考えて仕事をする人も中にはいますけど、そういうのって大抵相手に伝わってしまいます。

自分では気をつけていても、言葉の端々にそうした思いが出ることもあるし、行動でそれが出ることもあります。

いずれにしても、そうした思いは相手に伝わるものなので、出来るだけ良い感情を相手に伝えたいものです。

と、あまり「見やすい図面を描くコツ」とは関係のない話になっていますが、もう少しだけ続きます。