お客さんとのコミュニケーションが上手く出来ていないと、相手の要望通りの図面を描くことが難しくなります。
そうすると、相手が望む図面と実際の図面との間にギャップが出来て、満足度の低い仕事と評価される。
そんな流れになると、図面を描くプロとしては残念な結果になるので、出来るだけそうした状況を避けたいところです。
だからこそ、図面を描くのは技術的な仕事だけど、コミュニケーションスキルも重要な要素になる。
そんな話を前回はしました。
このあたりの話は、知識とテクニックを大きく必要とする仕事をしている、大半の方に当てはまる話だと思います。
もちろん私も含めて。
私もどちらかというと、一日中黙ってパソコンに向かって図面を描いていることを望んでいるので……
それだけではダメなこともある、という現実を何度も現実に味わったりして来ました。
人間はどうしても楽な方に流れる傾向にあるので、こういう内容の話を書きつつ、私自身も気を付けないと、と思ってます。
今回も引き続き、そうしたコミュニケーションスキルについてもう少し書いてみることにします。
■ベテランか初心者か
コミュニケーションスキルが低と仕事で無駄な苦労をすることになる、というのは私の経験から考えると恐らく事実です。
そして、そうしたスキルが低い方というのは、とびきりの初心者か、もしくは大ベテランに多い。
これも私の今までの経験から、そんな傾向にある気がしています。
初心者の場合は、そもそもどんなコミュニケーションを取れば良いのかが分からない、という状態がほとんど。
だからある程度は仕方がなくて、これから失敗をしつつも経験を積んでいくしかない訳です。
しかしベテランの場合はちょっとツライですね。
自分のスキルに自信を持っていて、「俺が何も言わなくても描いた図面を見れば分かる」みたいな感覚を持っている方。
もちろんそんなことを直接言う程子供ではありませんけど、態度でそう言うニュアンスを醸し出す訳です。
これはちょっと危ないんじゃないかと思ってしまいます。
■仕事のプライドと自分のプライド
そういう自信を持っているだけあって、確かに図面の内容はレベルが高くて仕事も速かったりします。
だからこそのベテランだから、まあ当然と言えば当然ですが。
しかしそれでも、上手く相手とコミュニケーションを取らない限り、相手が満足しないという危険は残ったままになります。
もちろんそのやり方で上手く行く時も多くて、そうした時はとてもスムーズに仕事が進みます。
しかし上手く行かない場合には、とことん上手く行かないという状況になってしまう、という可能性もある訳です。
そうなるともう大変です。
そうして話がこじれて、それがお客さんからの苦情という状況になると、これはちょっと面倒なことになります。
ベテランの方というのは仕事が出来るだけにプライドが高くて、自分の非を認めることが難しい、という側面もありますから。
自分の仕事にプライドを持っているということと、自分の非を認めないこととはあまり関係ないんですけど。
まあとにかくそういう傾向にあるので、コミュニケーション不足で上手く行かない場合もある、ということです。