前のカテゴリでは、印刷時に線の太さをどんな具合にするのか、という部分を考えてみました。
今はCADで図面を描くことが当たり前になっていますが、結局は紙に印刷した図面が成果品です。
なので、印刷した図面の見映えを大きく左右することになる、線の太さ調整は非常に重要な要素なんです。
せっかく描いた図面も、見づらい状態で印刷をすると台無しですから。
もちろんCADデータも有効に活用していきますが、それも図面がきちんと出来ていてこそ。
適当に描かれた図面のCADデータなんて、送ってもらっても全然使い道なんてないですから。
まあそんなことは相手に言えませんけども……
CADデータの活用とかの話というのは、そもそもしっかりとした図面が出来てからする話なんです。
と、なんだか「CADなんて好きじゃない」みたいな、やや頑固な意見を書いてしまいました。
別に私はCADが嫌いな訳でではなくて、基本的に紙に印刷した図面が完成型だ、ということを言いたいだけ。
そういう考え方って、CADを実際に使っていると、少しずつ薄れていってしまいがちなんですよね。
今回はそうした話の続きとして、最近多くなってきたカラー印刷について色々と考えてみたいと思います。
■昔々のお話で
CADが導入されて間もない頃は、まだA1の印刷をペンプロッタと呼ばれる機械でやっていました。
ペンプロッタって何かというと、セットされたA1用紙を動かして、シャーペンの芯を実際に動かして線を引いていく機械です。
最近は見かけませんが、こんな感じの機械でした。
上の画像では、紙がべろっと垂れ下がっている状態ですが、これは作図をする場所によって何度も前後に動くんです。
そして横方向には、シャープペンシルが用紙巾いっぱいに移動するようになっています。
こうして縦と横が自由に動くことによって、CADで作図した図面を自動的にどんどん描いていく訳です。
円を描く時の動きなんて、最初に見た時は本当に感動しましたよ。
用紙の端とローラーが接触するようになっていて、ローラーを動かすことによって何度も紙を前後動かすんです。
密度の濃い図面を印刷する際には、何度も何度も用紙を前後に移動する内に、紙が伸びてしまうことも。
食事に行く前に印刷処理をしておいて、のんびり食事をして帰ってくると、丁度印刷が終わっているとか。
中盤で紙が破れてしまい、ただひたすらエラー音が鳴り響いているだけだったりとか。
かなり昔の話ですけど、これは懐かしい……
■カラーという選択肢
と、わざわざこんな昔の話をしたのは、単純に懐かしくて昔話がしたかったから、という訳じゃありません。
昔はこうしたペンプロッタで印刷をしていたから、カラーありの図面なんて全く考えられなかった。
この現実を伝えたかっただけです。
先ほどの話はペンプロッタでしたから、A1サイズの図面を印刷をする場合にカラー印刷がなかったという話でした。
しかしA3に縮小する場合であっても、まだカラー複合機など全然普及していなかった時代。
A3サイズに縮小して印刷をする場合でも、カラーで印刷することの難しさには変わりはありませんでした。
そんな時代であれば、CADで作図した図面を印刷する際に、カラーを使うかの選択肢なんて全くない状態です。
だけど今はそうじゃなくて、A1サイズのプロッタも、A3のカラー複合機もCADを使うオフィスにはあると思います。
そしてコストもかなり安くなってきました。
そうした環境になった今ならば、作図する図面にカラーを盛り込んでも良いのかも知れない。
というあたりを考えてみようと思いましたが、少し昔話が長くなってしまったので、続きは次回にします。